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 2021年5月
出勤再開に向けて 提供 HID Global社
職場の安全とセキュリティを確保する アクセス・コントロールの重要な役割
公衆衛生、ソーシャル・ディスタンスの確保、衛生的な空間を中心とした新しい社会意識に伴い、今日、雇用主は、従業員が求める安全で清潔な職場環境を提供するという新たな課題に直面しています。従業員の出勤再開の検討にあたり、雇用主は新しい要件を取り入れ、新しい手続を導入し、テクノロジーを活用して従業員の懸念を軽減しなければなりません。

アクセス・コントロールは、安全な出勤再開に向けた戦略づくりの上で重要な役割を担います。従業員に健康的で安全な職場環境を提供するために組織が活用できる方法には、Bluetoothソリューションやモバイル認証情報などの非接触型アクセス・コントロール技術や、位置情報サービスツールや訪問者管理ツールの導入があります。

期待とニーズの変化
企業がオフィス再開準備を進める上で対応すべき新しい問題には、人との距離、環境や表面の清潔さ、タッチスクリーンやキーパッドなどの多数の人がアクセスする設備の共有の仕方があり、これらは従業員の懸念事項でもあります。衛生管理は既存の対策ではあるものの、認識が大きく変化しました。従業員が安心できる職場は、単に安全なだけでなく、清潔かつ安全である必要があります。

従業員には計画やプロセスを知らせて共有することが大切です。従業員が安心して出勤を再開できるよう、距離と衛生の確保に向けたスケジュール、明確な方針と具体的な方法を整備し、慎重な管理のもと丁寧に実施します。

フィジカル(物理的)アクセス・コントロールは主要なテーマの一つです。通路やエレベータ、共有作業スペースなどが混雑していると、ソーシャル・ディスタンスの確保が難しくなります。密な対人接触を伴う認証プロセスも懸念材料です。

フィジカル・アクセス・コントロール管理者は、これらの「期待とニーズの変化」への対応で主要な役割を果たすことができます。健康と安全への懸念が非常に高い中、対処に取り組むセキュリティや施設管理部門はまさにヒーローのような存在と言えるでしょう。労働安全が平時以上の高次の道義的責任となる事態では、担当チームが陣頭に立ち、生活の質に有意義な影響を与える積極的な解決策を導くことが有効な手段となります。アクセス・コントロール管理は、勤務時間のシフト化や時差出勤制度と並行した従業員の経路制御にも有用です。フィジカル・アクセス・コントロール・システム(PACS)は、位置情報サービスを介して接触の追跡や混雑の緩和に用いることができ、訪問者に配慮した訪問者管理にも活用できます。

非接触型の認証情報は、本来非接触での入退室が主な用途ですが、雇用主やビル管理者は総体的なビル管理の一環として導入することでさらに活用できます。明確な方針や注意書き表示、清潔保持のための手順などもこれに組み込むことができます。

労働安全の新時代
安全な出勤再開に活用できる技術には、元来、密な対人接触を最小限に抑える特徴を持つPACSがあります。既存の旧システムを最新にアップグレードすることでアクセス・コントロールに伴う対人接触を大幅に減らし、従業員の持つ懸念を解決することができます。

非接触アクセス・コントロール
人と物の接触を介したウイルス拡散の抑制には、様々な形の非接触アクセス・コントロールを活用することが有効です。人とアクセス・コントロールに関連する物との接触を減らすことで、セキュリティ設備にかかる潜在的な二次汚染を抑制します。

まず、ドアや回転ドアまたスライドドアの開閉自動化は、人の出入りが多い場所での接触機会を低減します。これらに非接触型の認証情報や読取機を組み込むことで、セキュリティ保持に加えて表面を介した汚染の機会を抑制することができます。

また、離れた場所でも読取可能なBluetooth Low Energy(BLE)接続を利用した長距離対応読取機の使用も非常に有効です。BLEは数メートルの距離から読取可能なため、読取機やドア付近の人の密度を緩和することができます。また、モバイル機器をアクセスに用いることで、カードや共用読取機への物理的に触れる必要性も減少します。

HID Global社モバイル・アクセス担当ソリューション・マネージャのヘンリク・イェルト(Henrik Hjelte)氏は、「電話は個人個人が所有している。自分のモバイル機器に触るだけであれば、他の物を触る必要がなく、安全であると言える」と話しています。

既にキーパッドや2要素認証を導入している組織でも、より衛生的な代替策としてモバイル認証情報とモバイル対応読取機の有用性が認識されています。ユーザが携帯電話のロックを解除するにはパスコード、指紋または顔認証を必須にすることで、共有キーパッドに触れずに2 要素認証ができていることになります。

同様の方法で、モバイル機器のアクセス認証に生体認証レイヤー(階層)を付加することもできます。イェルト氏は「モバイル認証情報は詳細に設定できる。機器のロック解除時だけ機能し、事前に登録した指紋や顔の生体認証情報で機器所有者を認証するように設定する。こうすることで、紛失や盗難時や共有モバイル機器が使用されるリスクを減らす。また、モバイル機器を活用することで、個人が触れるのは自身の機器のみになり、施設出入口に設置された不特定多数が接触する設備に触れる必要がなくなる」と説明しています。

モバイル機器ベースなどの非接触認証情報は、ドア開閉や入退室管理以外にも幅広く活用できます。非接触認証情報は、ネットワークへのログイン、支払、プリンタ操作などの衛生管理を向上します。

共用物の表面接触を減らすには、モバイル技術を明確な方針、注意書き表示と併用することが有効です。時差出勤やシフト制を導入する際には、出入口などのアクセス・コントロール箇所を清潔かつ衛生に保つための専用のルール作りが必要になる場合もあります。セキュリティ管理者はまた、訪問者についても入館時と施設滞在中の具体的なアクセス・コントロール・ルールと手続きを定めることも有効です。

無線(OTA)認証
多くの認証プロセスは、密接な対人接触を前提とするものでした。例えば、ITまたはカード発行部門がカードを準備し、人事や受付を介して当事者にカードを渡すという方法です。カード紛失や盗難の際にはこの手順が繰り返されます。渡す相手が従業員または訪問者であっても、認証プロセスは一般に多くの接触を伴います。

HID Global社戦略アプリケーション担当シニア・ディレクターのブランドン・アーセメント(Brandon Arcement)氏は「物理的な認証情報発行プロセスは、受付や待合スペースの混雑や待機の列の原因になりえる」と話しています。今日のニーズとは、密な対人接触をせずに認証情報の発行と管理を行えることです。この点で、可能な限りデジタルということだけでなくリモート管理できる認証ソリューションの導入は理にかなっています。同氏は「ゴールは、プロビジョニングを対人接触ではなく無線プロセスにすることだ」と付け加えています。プロビジョニングとは設備やサービスに新たな利用申請や需要が生じた際に、資源の割り当てや設定などを行い、利用や運用が可能な状態にすることを指します。

最新システムは無線によるプロビジョニングに対応しており、承認された任意の機器に対して場所を問わずに認証情報を送信できます。従業員と訪問者は、混雑した受付で待つことも接触することもなく認証情報を受け取ることができます。

さらに無線プロビジョニングであれば、認証情報利用者との接触を最小限に抑え、認証情報を発行する管理者側の接触も大きく減らすことができます。認証情報請求者の訪問が減ることで、人に会うというリスク要因が大幅に減少します。これについてアーセメント氏は「セキュリティの確実度は同レベルであるので人間が直接渡す必要はなくなる」と説明しています。

訪問者管理
訪問者はいわば方程式における新しい変数のようなものです。訪問者は入館時に認証を受ける必要がありますが、その後の動きが追跡されていないと、健康リスクの増加、もしくは少なくとも万一接触者の追跡が必要になった時に危険を特定することができなくなります。

確かな方針と最新技術で、訪問者の移動の安全性を確保できます。訪問者管理ソリューションは、単体もしくは組織のアクセス・コントロール・システムと連動し使用することができます。訪問者が受付ロビーでセルフ登録を行うと、ホストには到着通知が届きます。これらの受付プロセスには、運転免許証スキャナ、バーコード・スキャナ、カメラ、プリンタを用いることができます。

訪問者がチェックインすると、システムが訪問者情報の詳細をアクセス・コントロール・ソリューションに送信し、その訪問者に対して入館や指定範囲での行動が許可されます。

HID Global社来訪者管理ソリューション担当製品マーケティング・マネージャのケイト・キム(Kate Kim)氏は「例えば、昼休みに施設を訪れる家族には、営業業務で特定の会議室へのアクセスが必要な人や、週末に施設で業務を行う請負業者とは全く異なるアクセス権限を発行する。そして、これらの処理はすべて自動的に行われる」と説明しています。

これらのシステムは主に訪問者に使用されますが、従業員向けの1日のみ有効な仮カードや交換用カードの発行にも使用できます。訪問者管理ソリューションは、医療、学校、物流など、多くの人的移動がある環境、すなわちフィジカル・アクセス・コントロールが必須かつ訪問者が頻繁に訪れる場所でも最適な方法です。

事前登録またはモバイル・アクセスを既に導入している組織でも、HID Global社製訪問者管理ソリューションを用いることで非接触認証をより安全に行うことができます。事前登録とは従業員が事前に訪問者の詳細を入力しておくことで、これにより当日のチェックイン手続を迅速に行え、また施設/ビル入退室アクセスの手段にモバイル・アクセスを選択できます。訪問者がアプリをダウンロードすると、チェックイン時に認証情報が自動的に携帯電話に送信されます。

キム氏は「訪問者が受付に到着時、受付係は招待バーコードをスキャンし、最近の健康状態について追加の質問をし、その情報を入力後にアクセス認証情報を訪問者に直接送信する。訪問者にカードを渡す必要はなく、訪問者は建物内の全てのアクセスに電話を使用する」と紹介しています。

訪問者管理システムの記録は、従業員または訪問者がウイルス検査の結果陽性となった場合に潜在的な接触のフォローアップや追跡に使用できます。

位置情報サービス
対人距離を確保するコツは、人の居場所を常に把握することです。屋外環境におけるGPSの使用と同様に、位置情報サービスはBLEビーコンを使用してゲートウェイをpingします。ゲートウェイは、物理的な領域内の個々の人物の場所を特定できます。個人の識別情報はIDカードに基づいて設定でき、この識別情報の継続的なブロードキャストから、固定ゲートウェイに対応する仮想ロケーションマップを作成できます。

位置情報サービスは、経営管理者にとって、物理的距離を促進する取り組みにおいて、事後対応的ではない積極的な手段となります。

HID Global社位置情報サービス担当ニュービジネス・マネージャのジェラード・ブロッカ(Gerard Blokker)氏は「リアルタイムの位置情報と占有度の管理は、効果的なソーシャル・ディスタンスの確保に欠かせない。ビル管理者は、その階または特定エリアごとの人数を常時把握することでこれが可能になる」と話しています。

同じシステムを用いてスペースの利用効率を高めることもできます。ビーコンを接続すると、例えば部屋の専有状況をブロードキャストし、人々にスペースの空きもしくは使用状況を知らせることができます。同様に、ビーコン接続を早期警告システムとして使用することもできます。

ブロッカ氏は「当社のパートナー企業が、部屋の収容人数を超えるとアラートを送信する高性能なアプリケーションを開発した」と紹介しています。

この機能は、鑑識の点でも大きな役割を果たします。万一誰かがCOVID-19検査で陽性が判明した場合には、陽性者と陽性者の接触人物を特定にかかる根気のいる接触者追跡作業を自動化できます。

ブロッカ氏は「人の記憶に頼るのではなく、人もしくはビーコンでタグ付けしたモノを追跡することで、その人物の行動履歴、場所や、その場所にいた他の人物などを示すグラフィックと分析を用いた履歴データを構築することができる」と紹介しています。

加えて、位置情報サービスには、緊急時に特定の従業員を呼び出す「招集」機能があります。位置情報サービスには、手指消毒ステーションの使用状況を監視する機能もあります。石鹸や殺菌剤のディスペンサにBLEセンサを埋め込むことで、ユーザのビーコンによるイベントの認証と登録を行います。手指衛生は感染拡大防止に効果の高い方法であるため、職場の衛生を保つためには、この対策を一貫して進めることがとても重要です。

PACSを最大限に活用するには
今は、フィジカル・アクセス・コントロール担当者の多くが課題を突きつけられている時期でもあります。キム氏は「今は、皆さんの目となり耳となって現場に駆けつけるスタッフが減っているかもしれない。そして、その方々の作業量は以前より増えていることだろう。施設や環境を安全に維持するには、施設側に必要な適切な情報を確実に要求し、また建物や施設の入館者がそのポリシーを確実に認識できるように業務を効率化していくことも大切だ」と解説しています。

ソーシャル・ディスタンスの確保など、パンデミック関連のニーズに対応する上で、技術は重要な役割を果たします。一方、方針やルールは、出勤再開の取り組みを成功させる上で中核を成すものです。

例えば、確かな監査システムの導入は極めて重要です。PACSをうまく活用することで、ログ、リポート、アーカイブなどの貴重な情報を生成できます。建物管理者は、業務リスクの全体像を把握する手段としてこの重要なデータを利用し、誰がいつ施設内にいたかを確認することができます。

最善策
これらの対策の実践にあたり、特にスペースの利用と衛生に関して雇用主が行うべき基本的な最善策を紹介します。必須の方針の例は以下の通りです。

注意書き/掲示 ― 新しいポリシー、ルールや手続を明確に伝え行動を促す大切な方法です。

手指消毒 ― 従業員全員がすぐに利用できる手指消毒ステーションの整備と、こまめな手洗いと消毒の積極的な奨励

物理的距離の確保による適切なソーシャル・ディスタンスの確保、壁への注意書きの掲示、床への混雑回避案内掲示、対面会議の非推奨、共有エリア設備の一時閉鎖などの対策

非接触 ― 可能な限り、触れる必要のあるプロセスをなくすか、もしくはそのようなプロセスの担当者を1人に限定する。サービス・プロバイダと協力して、ハンズフリー・テクノロジーやプロセスを見極め、導入すると良いでしょう。この対策が特に望まれるのは、ドアやエレベータなどの接触の多い場所です。

個人用防護具(PPE) ― 世界中の衛生専門家が全ての人がマスク着用し口と鼻を覆うことを推奨しています。 少なくとも、雇用主は従業員全員がマスクを利用できるようにする必要があります。

定期清掃の強化 ― 頻繁に人が触れる表面は1日に数回清掃と消毒を実施。(例:テーブル、ドアノブ、照明スイッチ、デスク、電話など)キーパッドや生体認証読取機などの物理的アクセス機器も同様に頻繁な消毒が必要です。可能であれば、アクセス・コントロール機器を指紋認証やタッチスクリーンではなく、非接触型カードやモバイル機器仕様に設定を変更します。

訪問者方針の更新 ― 施設内での接触の制限、健康状態についてのアンケートや体温測定の実施、不要な移動の制限などを含めた訪問者用のアクセス方針を実施します。

先に進む機会
パンデミックは建物管理やセキュリティに対しても大きな難題を突きつけました。同時に、まさに今がユニークな機会であるということもできます。

ソーシャル・ディスタンスの確保、接触者追跡、スペース利用などの新たなニーズに対応するため、各部門の専門家が、アクセス・コントロールについて詳細に検討し、PACSと関連技術について幅広い観点で包括的に考える機会になりました。

対人接触の必要性を減らすためにモバイル認証情報を検討する場合もあれば、自動ドアへの投資や、セルフサービスの訪問者管理システムの導入を行う場合もあるでしょう。また。スペースの利用を最適化する方法を模索するセキュリティ部門やビル管理部門にとっては、位置情報サービスはより大きな役割を担うでしょう。

これらの機能をすべてPACSへの広範なアプローチとして統合することが理想的な形と言えます。これらの機能を連携活用し、確かな方針と遵守を導入することにより、雇用主は従業員の抱える懸念に応えることができます。PACSを総合的に考えることで、雇用主は安全で安心できる職場を構築しやすくなります。ビル管理者は、必要な知識やデータ取得によって混雑を最小限に抑えたり、個人の居場所を追跡したり、最善策の定義に従ってスペースの使用を管理したりできるようになります。

HID Global 社非接触アクセス・コントロール・ソリューションの詳細は、
https://www.hidglobal.jp/solutions/access-control/touchless-access-control
をご覧ください。